みずうみ #2/もっぷ
 
西の海に陽の帰ってゆく情景を
一度もみたことがない
焦がれながらまた
首都高に落ちてゆく今日をあきらめている

父さんが大好きだということ
会いたくてたまらないのに、ということ
その父さんのお墓の場所すらわからないというそんな
いまの日日の こと

(私は帰ってゆく)
(私は)

真夜中の片隅で
膝をかかえこんでいる少女
デュラレックスのようなもろさで

漣よ、さざなみよ
誰も知らない心のなかの
こころのなかのみずうみの


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