100億年hayataro「勘違いの生涯」/花形新次
 
無職じじいに残されたものは
最早、小学1年生のときに
国語の授業で書いた文章を
先生に「いいんじゃない?」と
語尾が上がる感じで
褒められた思い出だけだった

「ぞうさん」hayataro

どうぶつえんにいった
ぞうがいた
とてもおおきかった
うんちもおおきかった
ちいさなおやまぐらいおおきかった
しいくがかりのおにいさんはちいさかった
ぞうさんのあしぐらいしかなかった
しいくがかりのおにいさんはちいさいから
ぞうさんにふまれたらつぶれそうだった
つぶれないかなとおもった
ぐちゃっておとがした
ぞうさんのあしのしたにあかいみずたまりがあった
ぼくはほっと
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