向日葵畑/
銀泡千水
茹だる夏の向日葵畑の真ん中で
自分のためだけに泣いてみたい
1日の長さを感じながらね
泣き疲れて眠って起きても
まだ太陽は誰のためにでもなく
燃えていてくれるんでしょう
あと50億年の命のために
あとたかだか60年の命が
涙を流すのは美しいことでしょうか
向日葵は太陽に向かって咲く花なのに
一輪だけ下を向いていた
まるで私みたいだねなんて思わないけれど
ただその景色があまりにも完成されていたので
流し尽くしたはずの涙が一粒
頬を伝ったりして
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