5040/竜門勇気
いた生き方を
誰かに認めて欲しくて
手垢のついた理想の誰かを探してる
思いやりは誰のためだろう
今手のひらからこぼれたものはなんだろう
魔法のような出来事は
車の窓から何度か見てきた
ハンドルが言うことを聞かなくなって
何度か死んだ想像の中
前を走るタンクローリーに映った自分が
車を降りて遠ざかっていく
変なくせのついた自分を
認めてくれる誰かを
信じていた
夢のなかで何度もこれが現実だと叫ぶ
ジッポーオイルが冷たい
夢のなかで何度もこれは現実だと叫ぶ
燃える心を触る指が冷たい
これは現実だ
これが現実だ
僕は
夢を現実に錯覚してしか
明日を生きられない
これは現実だ!これが現実だ!
これしかなかった
これからもそうなんだ
夢と現実を曖昧にして
どっちでもないまま生きる
忘れ物をなくすふりをして
現実を探すふりをして
どっちも曖昧にして
どっちでもないまま生きる
魔法のような詩を書きながら
生ごみのように喋る
宝石みたいに自分を偽って
どっちでもいいような顔をして生きる
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