伐採/
朧月
あめの山にはいって木をきる人がいる
チェンソーをひびかせて
切る理由がある木なのだろうが
私にはわからない
他とどう違うのか
倒されてゆく木も
生かされている木も
ただ黙って空をみている
あめにうたれている
その人もなにも言わず
ときおり木を撫でながら
山の中を歩いていった
その音は上から
またあしの下からきこえ
私のカラダの中は
木でいっぱいになった
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