ゆらり リエゾン /るるりら
 



燃えている

あれは、
もしかするとマグネシウムホイールかもしれないね
二本の轍からオレンジ色の閃光が突っ切ってくる
反照で人々の表情はエジプト壁画のように、平面化したが
唯一ひとりだけ、隣の路線で 私に良く似た少女がベンチから
ゆらり たちあがった
あの娘(こ)は、感じていたところだ
白線の内側は 白線の外側の間違いではないか
世間と自分とのでは どこか線が違う
そして、あのこは レールをはさんで向かい合っている私に向けて手を振っている
私は知っている
あの娘(こ)も私も おなじことを考えている
【私の内側まで おさがりください】
[次のページ]
[グループ]
戻る   Point(8)