死活/飯沼ふるい
 

    降っていたか

  菜の花は
  揺れていたか

   合唱コンクールの
   課題曲を
   思い出せない

  川に投げた
  地蔵の頭は
  見つかったのか


 あぁ、なにか、そう、今は
 今(であったこと)に蝕まれているらしい

たしかなのは
霊柩車は空を辿って行ったこと
(油彩画のような重たく厚い青空を
(成層圏まで沸き上がる陽炎にのって

 28℃
 「にじゅうはちどしー」
 と、略さずに呼びたい一日に
 28℃
 「にじゅうはちどしー」
 と、略さずに呼びたい一日に
 まぎれもなく、そこには


入道ぐも

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