ばらのこと3/はるな
 
が這うようにして生きている、白くて力強い感じの花も咲かせる。
連休は実家で過ごした、庭の芝を張り替えるのだと意気込む父と夫と、砂利をつかったまま事に忙しい娘と、庭仕事のために小屋を移動させられたかわいそうな(でも当人―当犬?―はさほど気にしていなさそうでもある)宝籤。しばらく触っていなかった花壇の端っこの雑草を抜いて、土を混ぜ返してハーブを植えさせてもらった。
花や草木はむかしっからすきだった、たぶんそもそものはじめから。本を読むみたいに、花をちぎるのが好きだったし、ちぎると手につくべたべたした液や花粉も平気だった。なんでだろう。そういうものだと思っていた。
ぜんぶは、そういうものだと思って
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