Miz 17/深水遊脚
げられない。関節を痛め付けられるわけには行かない柏木はやむを得ず特殊能力に頼った。腕から弱い電気を流し、政志さんの固める力を一瞬だけ弱め、腕を引き抜いた。
「どうした柏木くん。もうその戦い方をしてしまうのか。君らしくない。」
「お見事でしたよ。腕をへし折られるわけには行かず、不本意ながら力を使いました。でももう少し続けましょうよ。」
「構わないよ。力を使う戦いも、使わない戦いも、どちらも卑怯などではないのだから。」
立ち上がった二人は言葉こそ丁寧に交わしたが、眼光の鋭さは増すばかりだった。特に完璧に技を決められた柏木は悔しさを隠そうともせず、政志さんにタックルを仕掛けた。この感情の
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