微熱の中で/レタス
 
壊れかけた砂時計に話を聴くと
なんでもないと答える
壊れたピアノに
音が出ないと
聴くと
なんでも無いと答える

私に38度の熱があっても何でもないのだ

協奏曲に紛れた雑音に答えを聞いたとしても
返事などあるはずもない

静かに
静かに

耳をそばだてよ

その声はそっとやってくる
足音を忍ばせ

君の耳にそっと囁くのだ
悪魔の頬笑みか
天使の囁きか
それは誰も知らないのだから
ぼくだけの秘密にしておこう
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