儀式/
朧月
優しくするのに理由があるとしたら
されないほうが幸せなのかもしれない
てんびんみたいに均等なんてありえない
庭でつばめが巣をつくる
それをねらってへびがくる
去年へびは雛を喰った
なのに同じ場所に巣をつくる
ただみているだけの私の
家の庭につくられた巣では
喰うか喰われるかの儀式が
今日も静かに行われている
なにか足りないと私はおもい
足りていない人と私は思われている
それでもどんどん歩いていけば
空へつくのではと思えている
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