Spring Song/
葉leaf
雫が膨らんで
水の花を咲かせた
春というあいまいなかたまりが
名前を速やかに消し去った
ためらう太陽の灼熱に
逆らっていく風の翼が折れて
時間は無限に挫折を繰り返す
英雄の墓が芽を吹き
墓は記念碑へと生長する
生き物は過剰に死にながら
それを上回る過剰さで生きている
どうしようもないね
どうしようもなかったね
複雑な地形に沿った風の音はまぶしい
反転することが真実であるいま
重大な正義は次々と罪の宣告を受けていった
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