「し」/紫音
詩書きというだけで
孤独じゃなきゃいけない理由はない
詩詠みというだけで
孤高じゃなきゃいけない理由はない
詩人というだけで
厭世的である必要はない
詩というだけで
それ以上でもそれ以下でもない
言葉の奥に織り込んだ
己を否定して
明日がこないことを祈り
声を失くし沈黙することに
どこまでも固執することもない
詩とはなんだ
ただの言葉でしかないのか
ただの感情でしかないのか
意味はあるのか
価値はあるのか
そんなものは無くて良いのか
稚拙でも愚作でも
心を削り 感情を注ぎ込んで
綴ることでしかない
君の言葉は詩なのか
私の言葉は詩なのか
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