悲しみ/ベンジャミン
壊れてしまったあなたを
彷彿とさせる
指先 の 震え
揺れる窓辺からこぼれた
儚さとは何だったか
問い は
景色の中に潜みながら
かすかな声を発する
嗚呼
そうであったか
空から落ちてくるものでなく
地を這うものでなく
あたかも
かたち に 影を現す
ようにして
反射する鏡の無限は
深く傷を負わせるのだと
そのとき
血を見るよりも明らかな
端に漂う 残照
不規則に鳴るのどの奥の 塊
さらには
胸の痛みという幻にさえ
見つけようとしてしまう
まぶたの奥に
それは在るのに
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