ロボ/阿ト理恵
 

きみはぼくの知らないところで、ぼくの知らない人と知らないことをしているってことを、ぼくはきみから教えてもらった。スイッチはぼくが切ったはずなのに、きみは自由にオンオフできるようになったんだね。いつのまにか、というか、いつからなんだろう。しまいこんだはずのぼくのひみつを盗んだのもきみだね、ひび割れたアスファルトから咲くすみれに似たロボ、きみは美し過ぎるくらいたくましい。

おはようとおやすみのあいだに

きのう(し)はじめる五月の



戻る   Point(8)