日常/石田とわ
 
     朝目覚めると空のコップが
     ひとつ置かれている
     わたしは満たす
     さわやかな空の青さ
     もうすぐ咲くだろう蕾の息遣い
     少し焦げた目玉焼き
     コーヒーでつくため息
     仕事で理不尽に怒られる窮屈さ
     ニュースされる痛ましい出来事
     寂しさが愛おしい夕暮れ時を
     順番に、
     ときにはごちゃ混ぜにして
     コップに注ぎ満たしてゆく
     眠りにつくころ溢れだし
     わたしは溺れ、夢をみる
     目覚めれば空のコップが
     ひとつ置かれている



             


戻る   Point(7)