ファの過ち/藤鈴呼
 
木漏れ日を浴びるには 少し遅い季節
ヒーターの温もりで 身体の冷えを治すように
カーテンの向こうに光る 太陽を 連想している

電線の後が 唯一の文様
横に長いのは キレやすい 私のため
たゆたう波のように 穏やかに 息なさいと
窘められて いるかのように

ゴロゴロと 鳴るのは 冬の海に 轟く 雷
イカズチ カナヅチ いかずごけなら まかしとけ
ここで 笑っていれば
その内 おなかがすいて
胃袋までもが コロコロと 自己主張する

そこいらで 可愛がられたいのと嘆く にゃんこのように
ねぇ 知ってる? フェイクファーなら 問題ないわ
問題なのは リアルファー

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