私は何者でもない。/梅昆布茶
 
世界でいちばん大好きな君に
上海美人の君と
玉川温泉に行こうとおもう

蘇州は水の世界
上海のなんとか空港は海のそば

テレサテンの空港を
しっとり歌うきみは

僕の恋の予感を
お世辞で褒めてくれた

新宿は南口がおおきく変わって
詭弁を弄する都知事をよそに

きみに巡り会う為に人波を彷徨う

東口のみどりの窓口で待っている君は
眼がおおきくてでも知的な中国語の講師

きみが好きみたいだ
ぼくのうたはきみに届くだろうか

レミオロメンのうたのなかで
ぼくは一億人のなかから君を撰んだとあるけれど

でもぼくだって60億人のなかから
きみをえらぼうとおもっている

男はいつも通り幼稚で
そして哀しい生物

神話をもとめても得られなくてもがく
よくホームセンターで売っている
べたという熱帯魚みたいに孤独なんだから



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