女たちと日曜日/番田
自分を隠しながら
日曜日のある日
静かな坂道を 歩いていた 私の姿
そうすることがどうやら許されているようだった
緑を繁らせた 今はもう 花はそこにはない
桜の散った 木々をもう 見上げる人はいなかった
光にできた 木陰を私は歩く
この街に来たのは4年前のこと
あの頃はまだ希望があった私がいたものだった
将来の自分に希望を感じて
挫折していたほうが 良かった
今はもう 途絶えた希望のことすら覚えてはいない
私は歩く 4月の終わりを
何を求めて私が歩いてきたのかを晒さなければならない
しかし会社では 自分の夢見ている姿を隠しながら
今日も ぼんやりと歩いて行くのだった
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