二十歳のころ/
たもつ
二十歳になっても何も変らない
ただ何かを変えたくなった
今の自分を不幸だとは思わない
でも決して幸せとはいえない
キャンパスを飛び交う拡声器の声
その熱さの中で
彼らは自分を確かめている
雨上がりのスクランブル
背を丸めてわたる者たち
いつの日か頭の上に太陽が輝いていることも
忘れてしまった
やりたいようにやった奴の勝ちだ
そう思ったのは二十歳だった
このまま生きたくない
このまま死にたくない
戻る
編
削
Point
(3)