無為の輪郭/
noman
胸の上の微小な斑点は
ほんの少しの
風力だけでその
配置を変えてしまい
圧力は少しずつ逸れていく
本棚は不格好に撓み
空の瓶底が
真新しい壁と同じ色になったら
抽斗を開ける
清潔な
写真のような動作
壁の前に立っていた者
たちが
逃げ去った後
白い日差しの膜に映った階段の
下から
浅い眠りに就いたばかりの午後を包むほんの
少しの風の匂いが立ち
上る
戻る
編
削
Point
(3)