花畑(2)/吉岡ペペロ
家に帰るとお母さんがおはぎをたくさんつくっていた。だからぼくは太るのだ。いじめられるのだ。それにしてもきょうは量が多い。ぼくがどうしたの聞くと和夫くんのお寺に持っていくのだという。
今夜おおきな集会があるのだそうだ。
「まだお若いのに立派なお弟子さんがいてねえ。その方がお話をしてくれるんだよ」
「それって、和夫くん?」
「和夫様ではないんだけどね」
なぜか和夫くんが戦う相手がその若い弟子のような気がした。胸がどきどきしてきて泣きそうになった。
「みんなでお菓子をもちあってお話のあと食べるんだよ」
お盆いっぱいにのったおはぎが泥のように見えてきた。
「お母さん、それぼくが持っ
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