神経の冬/葉leaf
季節の冬ではなく
神経の冬がやってくる
いつの間にか肉も骨も失って
外界に直接神経で接触するようになった
神経は少しずつ削ぎ落とされ
細く細く、極限まで細く
硬く硬く、張り詰めてしまって
ああ、僕は何もないところに絶対零度を感じる
存在するだけで存在の裏側にひっくり返されそうだ
今や「生きよう」は「死のう」の変化形
意識の原野にわんさか生え出た「死のう」が変換される
僕はいつか君に言ったっけ
僕の好きな季節は冬だと
だが訂正しよう、僕は冬が大嫌いだ
本物の冬は神経の冬
限りなく細く張り詰めた神経の冬だ
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