春小景/ただのみきや
 
しは見つけた
 いのちの木を
 あまく匂やかに花は満ち
 甘露あふれるところ
 わたしは道を示す
 わたしに続け
 わたしい続け
 来なさい姉妹たち
 わたしに連なり
 踊りなさい―― 」

踊りは地図
踊りは道
距離が方角が
ゐろが匂いが
よろこびの大きさが伝達される
姉妹たちはこぞって飛び立つ
花と蜜たわわにまとう
いのちの木へ
春の詩(うた)に
触覚で震えながら



        《春小景:2016年4月16日》









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