青春時代/ただのみきや
若い頃は良かった
なんて言わない
思わない
今が一番
いつだって
これからだって
とかなんとか言ってみても
こんな春のいい陽気に
年頃の娘たちが
きれいな足を惜しげもなくさらし
自転車こいでいるのを見たりすると
なにやらムズムズ
いいねえ 若いって
ふり返る者にそれは
時の流れの澄んだ猶予であり
可能性と選択の散らばった地図
情熱に酔いしれた忘我の振舞いも
世界が黙認してくれるような
だが渦中は混沌
いつも何かに急かされて
見えているものしか見ようとせず
目の前の事に夢中で
広がりも何もありゃしなかった
夢より酒に酔いしれて
面倒
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