タブロイドインタビュー/秋也
最後な気もする
「放課後、中学校の屋上が好きなんだ」
「誰かがいてもいいのだけれど静かであることが条件」
「屋上からの夕焼けがどうしてもね」
あの狭間の時が彼にとっては朝
「やっぱりね、結局は寂しいんだよ」
少し恥ずかしそうに彼は言った
私だけに聞かせてくれた気もする
やっぱり私が最後な気もする
彼はとても魅力的で
ところどころに破滅と長い夜が見える
世界一の宝石商のおばさんが言った
「あなたオパールみたい、不思議な子ね」
鉱物というより化石の遊色効果
学校屋上静寂夕焼け人
「あの場所に総てがあるんだよ」
「悔しいから僕も同じ場所を造った」
私にはわかるようなわからないような
「後は友達だな」
ポツリと言ったことが妙に寂しく
なぜか危険で
抱きしめて奪い去ってでも止めたかった
「私も夕焼け大好きなんだよ」
精一杯
いつも泣いているようで笑っている
初めて彼と同じになれた一瞬
ずっと忘れないだろう
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