流浪/レタス
 
そのオートバイはギターをかき鳴らすように
大陸を横断してゆく
絶え間ない鼓動が指先に繋がり
陽の沈まない西の空を目指す

髭を蓄え
風にカールする髪を靡かせて
終わりの無い旅を続ける
人は俺を何故かジプシーと呼ぶ
背中に彫られた地図をたどり
地平を何処までゆくのだろう

路の脇に散らばった
白骨の数々は蘇り
笑いながら消えてしまったギターを奏でる
終わりの無い旅を続ける俺は
嘲笑を誘うジプシー

蔑まれ
欺かれ
物乞いを続け
酒と舞踏と歌に酔いながら
たどってきた路を振り返る

ひとひらの花びらが俺の頬をかすめた



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