無い浜/なけま、たへるよんう゛くを
遠のいていく
まだ舟だとも言い切れぬままに
来た林に戻ろうか
踏ん張りたくなどありゃしない
じゃあこの壁にだ
打ちのめされていよう
ここら一帯の木は黒ちゃけて
叩くと気持ちの良い堅さ
砂の上は暑すぎる
浸かってしまうとどうでもよくなる
見るにどちらでも一種危ない試み
見えない彼岸に高望み
蟹のツッコミ
一円の細胞たちと目の粗い
この砂粒らの前に人は為すすべもなくでかい
手が出せないのだから何をしても
何に気付いても汚れるほどの
養分にもなっちゃない掴んでも
掴みきれようはずもない
でもでも
つられ流れ出ていけば話が別
そこへきてここよまだやっぱり境のうえだ
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