白い花/
もり
う
握られた拳のなかに
「コブキの花だよ」
白い花
ふたりが 手をつなぐ日は くるか
逃げたことで
ひたすらに逃げたことで
皮肉にも また向き合ってしまって
出会ってしまったふたり
送られてきた 写真
「あなたが植えた、水仙の花だよ」
「あなたが植えてくれたんだって、
喜んでいたよ」
思い出す
蚯蚓の世界を侵略した日
雑草のように生きたいと願ったあの日
そうして詩を書いたんだったね
そういや あのときも逃げてたね
ね
戻る
編
削
Point
(2)