年季に/信天翁
 
  年季にとうがたって
    玄関のタイルは
    ひびの隙間から
虚しい「時間」の中心に
 深く積もってしまった
     ペンペン草の
    顔をのぞかせる
        そして 
  重く沈んでしまった
貧しい「空間」の奥底に
     卒寿のかげを
     沈ませている

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