「誰も知らない春セピア」 2016.04(九句)/もっぷ
 
花樒わたしは歩くまた歩く


城址からもしもし父さん三宝柑


残る花いつか歩いた河川敷


灯される頃を選んでさくらさく


愛される理由なくして山桜


夢よりも夢らしくある春蜜柑


蒲公英を孕んで迷う街の道


人の世を飼い殺すのか八重桜


弔いの煙のゆくえ春晦日


[グループ]
戻る   Point(1)