かみの長い男のひと/
はるな
それが大きいのかちいさいのかわたしには分からない
数だということだけ わかる
くらやみを射抜くような空ろないたみがビルを覆っているので
ひとびとはたえまなく降ってくる
切りそろえられた三角
クローゼットがいっぱいなのに 着ていく服がない
辞書をひらいても 言いたい言葉がみつからない
なのに空らんを埋めたくて ノートばかり買ってくる
髪の長い男の話をするんだった
でももう なにもわからない
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