予行練習/
青井とり
わたし、あなたに出会ったときから
こっそりさようならを繰り返していた
何度も、何度も
いつかこんな日が来るかも、だなんて
怖がりをポケットの中で反芻しながら
しあわせそうに笑っていた
ずっと、ずっと
そして、上手にさようならを告げた
わたしはいま
シーツにくるまって動けずにいる
きっと、また
怖がりながら誰かを愛するんだろう
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