ビューティー・メッセージ/カンチェルスキス
、何となく見ただけの看板の言葉が飛び込んでくる。そんなはずじゃなかったのに、急に罪悪感が湧いてくる。
「オレ、そろそろやめようと思ってたんだ、酒とたばこ」
ふと、彼は助手席の友人に呟いた。久しぶりに再会し、カキの食べ放題で満腹になった後、これからボウリング場に向かう車中だった。
「おまえもか?」
驚いた友人に、彼は心情を吐露する。学生時代からの付き合いだが、悩みを打ち明けたことはない。一人抱え込み、頑張ってしまう子だった。
「うん。悩んだんだけど。このままいったら、身の破滅だよ」
煙のせいか、悩みの深さのゆえか、彼の顔は苦渋に満ちている。灰皿にタバコを押しつぶす。
いきなりの打
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