貼り紙世界の果て/カンチェルスキス
 
。「達ちゃんが言うんじゃしかたねぇや」と誰も文句は言わない。この貼り紙に、主人の正直な心情が垣間見え、道行く人も微笑んで通り過ぎていく。

 しばらく前に、ある道を歩いてると、こんな内容の貼り紙を見た。
 洒落にもならないが、フン害に憤慨している、というのである。ガレージ前に、犬の糞をさせるやつがいる。車庫入れのとき、タイヤが糞を巻き込んで、中に入ってくる。本来、ないはずのものが、だしぬけに存在感を放つのである。
「ガレージがクサくなって困っています」
 率直な心情吐露である。とにかく、困惑ぶりが伝わってきて、住人の青ざめた顔まで浮かんでくる。ただ、やめろ!とは言ってないのである。『犬の
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