ベンジャミンバニー/Lucy
 
 
一個百円で売られてた
時給七百十円で 
同じ色のユニフォーム着て
誰がやっても同じ仕事を
マニュアル通り何とかこなし
疲れ果てて一日を終える

それでも 
足の引きずり方 
肩の落とし方
夕陽を見上げてよぎる想いは
私だけのもの

本物のうさぎだった時の
記憶なんてなくても
うっすら光をたたえたおまえの樹脂の目に
映る私は私だけの私

だからベンジャミン
おもちゃ箱の中に居た
私を見つめ私に話しかけてくれた
あのぬいぐるみや人形のように
誰も見ていない真夜中には
その後ろ脚でぴょんぴょん跳ねて
一人ぼっちで
踊ってほしい


 




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