詩にこもる詩/ベンジャミン
 
いうところだ。
言葉の折り目を開くとき、それが大胆であっても、繊細であっても、その言葉以上を発見できたなら、そんな素晴らしいことはない。
詩にこもる詩は、僕をその一瞬だけ救ってくれる。けれどどれだけ厚く重ねても、それは僕に似たかたちをした装飾にすぎない。
今は、少しずつ剥がしている。
期待はしていない。むしろ怖いくらいだ。
けれど、美しくなくとも、誇れるようなものでなくとも、
せめて
僕の死を救うくらいのものであってほしい。
それはきっと「詩にこもらない詩」だろうからさ。
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