詩にこもる詩/ベンジャミン
 
ラブ&ピースは聞き飽きた。
愛や平和を、よりリアルにしても、逆説的に浮かび上がらせても、結局そこまでの距離は変わらないんだ。希望や夢も同じ、何かに近づこうとするとき、そのアプローチの仕方を考える。詩はその方法として僕にとっては一番の近道なのだけど、詩にこもる詩を書いてしまう。それは美意識や展開やその他様々の技に足元をすくわれてしまうことだ。
閃きがあたまをよぎるとき、僕という変換機能が働く、それはまぎれもなく個性であり、僕という一人の人間の尊さに等しい。でも、僕が求めるところは違うところにあって、たとえば「銀河鉄道」という言葉を聞いたとき、宮沢賢治が浮かぶよりも、銀河鉄道が思い浮かぶという
[次のページ]
[グループ]
戻る   Point(4)