鬼/為平 澪
 
ったのです。私は母からすれば良い子ではなかった。
昔から母によく叩かれた。だから私はわたしが子供を産んだら良い子になる
ように赤ちゃんの頃から叩いて育てようとしたんです。悪いことが出来ないよ
うに。一つ叩いても泣きやまない。二つ叩いても泣きやまない。赤く膨れて
泣きやまない可愛そうな私の・・・「私」、え、何か言いましたか?今、何か
大切な・・、え、ノイローゼ?はい。そうでした。でも、ノイローゼって何で
すか?
─赤ちゃんを叩くと喚くんです。私も痛かったのに、私も叩かれたのに、どう
して私はそんな幼子を殺さなければならなかったのかしら・・・。あんなにも、
助けて!って泣いていたのに
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