かぞえる/
為平 澪
朝を迎えて又、数珠玉を指でひとつぶ、掴む。
私のいち、は どこにあったのだろう。
ひとつぶの珠を掴んでは放ち 掴んでは放ち
その、サイクルから逃れられない人生でした。
今の、いち、も持たないまま
数える意味も知らずわからず
心は 狂気と歓喜に踊らされ
私の分身たちが
私の記憶を覗き込んでは
掻き回し 過ぎ去っていく。
気が付けば
もう、
彼岸過ぎ迄 ── 。
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