放り出された世界の中で着地点を見つけたとき/ホロウ・シカエルボク
きて
さよならの言葉も言わずにちりぢりにどこかへ消えてしまうだろう
そうして君はしばらくぶりに一人になるのだが
一人の時にどうしていたのかを長い間思い出すことが出来ないだろう
ようやく一人でいることが気楽に思えるようになったころに
たくさんの子供たちが君に遊ぶことをせがみにやって来るだろう
袖やら裾やらあちこちを彼らに引っ張られて着ているものがすっかり駄目になると
君は我知らずものすごく怖い顔になって子供たちを見つめるだろう
怖い顔で見つめられた子供たちはすっかり震えあがってしまって
君から視線を外さないままじりじりと後ずさってやがて逃げ出してしまうだろう
君があちこち伸びた洋
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