歯の裏で/ホロウ・シカエルボク
を藪から棒に店員に問答無用に下げられそうになって年甲斐もなく大人げなく心の底からブチブチ切れた暖かい昼下がり、おまけに同席していたのは得意先の社長さま、ハタと気づいて平謝るも何がどう転んだか妙に気に入られ、イマドキ珍しい骨太な若者だなんて肩をバンバン叩かれていやもう本当やめてください恥ずかしくってしょうがない、感情的になるなんて末代までの恥でござる、それでもなんだかトントン拍子に話は進み、そこ割り切れたら俺意外といけるかもしれないなんて一瞬有頂天になってみたりして割り切れるわけがないことこれまでの人生で嫌というほど知っているのに、我思う、あんとき調子にのってタダでお代わり持ってこさせたりしないでよ
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