ginga/草野春心
 


  缶の 胚は
  ここのつに 今 熟し
  むらさきにささける 夜
  埃、あかい くらがり
  埃、くらい あおやぎ
  埃、あおい しらなみ
  埃・埃・埃……
  埃、あなたの
  うつむく 卵(らん)を
  壁状の 意識へと
  うちつける 何度でも (あなたは)
  見たかっただけだ (わたしは)
  せつなさのように爆ぜていく 朝の硝子を……
  
  

戻る   Point(1)