山口くんの木/yo-yo
 

山口くんが木になった
あれは小学生の頃だった
木にも命があると
彼は言った

山口くんの木は
どんどん空に伸びて
校庭の
イチョウの木よりも高くなった
あれから彼に会っていない

晴れた日も雨の日も
イチョウの葉っぱはいつも
山口くんの手の平の
日なたのようだ






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