かおるのおと「ひとりのなみだ」5首/もっぷ
 
すぐそこのスカイツリーの喧騒も届かぬままに町さびれゆく


冬至過ぎ確かに日日は順調か昔日の〈あたし〉が案じてる


はろばろと江戸まで届く歳月を生きながらえて町の道あり


偶然に住んでる町の約束は四角い部屋までいまだ届かず


なみだあり今朝のなみだと十歳のあの子のなみだひとりのなみだ


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