ゆうやけ/
はるな
の洋館を通り過ぎて三叉路に出る、
かならずそこでかおみしりの猫に合う 四羽の鳩、いさかいの跡
右向け右でいつも一瞬遅れるくせ だれにとっての右なのかを、
クッキーの缶を開ける指と 踏まれた十円玉 おみくじ 蝉
海岸線によく似た背骨 濡れた座布団と座布団カバー いけすかない犬
祈りの消費期限がせまっている 箱をあける暇が無い
ふたたび猫と鳩 おいかける乳白色と鳩 帽子、そう
ゆうやけが昇るころ あたしたちはぜんぶたぶん嘘だ
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