少女の物語/独奏
れている
手首だけではダメ
首も痛めてみよう
案の定、赤い血はたくさん出た
まだ満足のしない少女はお腹を
赤い血を見た少女は眠りについた
ドアを開けて母親が少女を起こす
少女は朦朧とした意識で眠っていた
少女が行ったのは天国だった
それは言葉にできない幸せな気持ち
安心して眠りにつけたらしい
王子様が迎えに来るときまで
少女は夢の中で夢を見ているんだ
天国が幸せなんて分からない
でも少女にはハッピーエンドだった
風の噂で聞いたんだ
少女がまた手首を切ったらしい
そして笑いながら眠ったらしい
それも少女の夢かもしれない
そして僕たちも少女の夢の世界で出来た者かもしれない
僕は今まで何してきただろう
少女が作った夢が僕を作ってしまった
少女が天国に行った
僕は空を飛んでいる
少女はまだ夢という本を読んでいるんだね
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