幸福/吉岡ペペロ
 
直ドラで右股関節を捻挫した

ダフった衝撃がそこに集中してしまったのだ

向きをかえただけで襲ってくる激痛で

寝ることと座っていることが辛くて仕方なかった

立っているときがいちばん楽なのだ

こういう痛みを持って生まれたひとの気持ちになれる

それだけがこのアクシデントの幸福だった


痛みをかかえた暮らしやからだに

しばらくは寄り添い

これを生涯忘れまい

この苦しみの僕は一部となるのだ


直ドラで右股関節を捻挫した

ダフった衝撃がそこに集中してしまったのだ

向きをかえただけで襲ってくる激痛で

寝ることと座っていることが辛くて仕方なかった

立っているときがいちばん楽なのだ

こういう痛みを持って生まれたひとの気持ちになれる

それだけがこのアクシデントの幸福だった








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