裏切りのないキス/
宣隆
壊れていく足跡から
息を切らして逃げて
鍵をかけた扉に背を向け
昨日までの灯りを消した
誰に聞かされたのか
振り返ることは苦しい
時計の針を追い越して
洪水のように震える鼓動が
胸を押し潰す気がした
責任と覚悟が持つ意味は
ウイスキーに浮く氷が
時間とともに薄めるような
曖昧さで混ざりあった
言葉足らずの願いを
投げかけた明日に
どこまでの未来を
追いかけることが
許されるのでしょうか
だけど今は
裏切りのないキスに
身を委ねる
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