ゼロの華/るるりら
【ゼロの華】(鈴木 海飛様 発案の御題です )
からたちの木は 棘だらけ
それでも夏には まるく緑陰つくります
嶮しい棘が獣に怖れを与えることを止めません
冬には 雪に伏せらながら
からたちは夢を見ます
なにもかもを無に帰すという目標です
明日は根となり
木の葉となり
鳥を呼びながらも棘で怖れさせ
空の清浄さを ひたすら集めて丸めて
なにもかもを無に帰すのです
からたちの花が咲くのは四月
ゼロになった空に 白い花が咲くのです
かたちに囚われる人の心は 棘だらけ
ときどき唖然と呆然で ふと口を開けたままにきづかされると
世界の片隅で
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